モンコレグランプリ〜Stage2〜本選デック分析レポート

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全国のモンコレファイターの皆様こんばんは。
ブロッコリーのモンコレ担当久保田です。
先日は、モンコレグランプリ〜Stage2〜にお越しいただきありがとうございます。
大会結果については、現在公式HPに掲載されていますが、このBlogでは今回の大会で使用されたデックについて触れてみたいと思います。

本選参加者の皆さんがどんなデックを使いどのように戦ったのか?続きを読むからご覧ください。

まず最初は大会での使用デック分布です。参加者148名の本選では一体どういったデックが使われたのでしょうか?
事前予想では「シャチ」「錬金銃ドワーフ」「コアトル重スペル」「白夜」「イアソンサラスヴァティ」「指輪バードマン」辺りが多いのではないかという予想がありましたが、果たして如何に?

※使用者が2名以上いたデックタイプに絞って集計しております。
※デックの中にはタイプが判別しにくいデックがいくつかございました。そのようなデックはこちらで相応しいと思われるタイプに振り分けて集計しておりますので、ご了承ください。

1位:シャチ 使用者22名
1位:コアトル重スペル 使用者22名
3位:イアソンサラスヴァティ 使用者21名
4位:白夜 使用者17名
5位:指輪バードマン 使用者9名
6位:錬金銃ドワーフ 使用者7名
7位:レベル6メイン重スペル 使用者5名
8位:ヘルボーン 使用者4名
9位:ジーグルーデ 使用者3名
9位:ガーネット 使用者3名
9位:ラミア 使用者3名
12位:ストライパー 使用者2名
12位:ガーディアンドワーフ 使用者2名
12位:カイム 使用者2名
12位:ラヴァー 使用者2名
12位:指輪ダゴン 使用者2名

使用者1位は同率で「シャチ」と「コアトル重スペル」でした。

「シャチ」は《邪眼剣のシャチ》を中心にしたデックで、《邪眼剣のシャチ》以外を「種族:ミノタウロス」でまとめたタイプと、「種族:オーガ」でまとめたタイプの2タイプがありました。使用者の大半は「種族:ミノタウロス」タイプを選択肢し、「種族:オーガ」タイプの使用者は4名でした。
「種族:ミノタウロス」タイプが選択された要因としては、やはり「暗黒卿の秘儀」で登場した《オズボー将軍「金角」》と《オズボー将軍「銀角」》の存在が大きいですね。
予選での使用数1位のデックタイプですが、本選では他のデックにやや押される形になってしまいました。

「コアトル重スペル」は《コアトル》を中心にした戦闘スペルを多く入れたデックで、大半のデックは「種族:ミネルヴァ」を採用し、デックに入れる戦闘スペルを複数のコストを必要とするものでまとめたタイプです。
一部は、「種族:ミネルヴァ」を採用しないタイプもありましたが、22名中20名が「種族:ミネルヴァ」採用タイプを使用していました。
予選開始当初はまったくと言っていいほど使われていませんでしたが、予選の後半に注目されはじめて以降は、あっと言う間に広まり、本選使用数1位となりました。

3位の「イアソンサラスヴァティ」はその名前の通り《潮騒の王子イアソン》と《精霊の娘サラスヴァティ》のコンボを採用したデックです。この2枚のコンボを中心にしつつ、《氷晶妃アンゴルボダ》を採用したタイプと、《真珠の人魚姫メディア》を採用して「種族:マーマン/マーメイド」率を高めたタイプがあります。
どちらもデックの構成としてはやや違うデックなのですが、《潮騒の王子イアソン》と《精霊の娘サラスヴァティ》のコンボを採用しているということで、同じデックタイプとしてカウントしています。

4位は「白夜」デックです。デック名にもなっている《白夜の空》で相手の進軍を阻害しつつ、自身はその効果を受けないユニットを使い、物量で相手を押し切るデックです。
基本コンセプトは同じでも、採用するカードに大きな差異があり、「ウルフのみ」タイプ、「ウルフ+オーク」タイプ、「ウルフ+バードマン」タイプ、「原子のヘソ」タイプ、「クリムゾン」タイプなど多岐にわたります。
いずれのタイプでも、相手本陣を落とす手段としてほぼ共通しているのが《バイオ・レイヴン》を採用していることです。
デックに地形カードが多く投入されており、《白夜の空》を採用しているため対抗手段の乏しいこのデックには、ピッタリのカードと言えるでしょう。

5位の「指輪バードマン」は「種族:バードマン」による安定した先攻獲得、《遊撃隊長グレイホーク》の対抗不可、《虹の詰まった指輪》からの豊富な戦闘スペル対抗を行うデックです。
こちらは予選では多く見られたデックタイプでしたが、元々戦闘スペルの使えない「種族:バードマン」に戦闘スペルを使わせようというコンセプトのためデックが回しづらく、6回戦の長丁場を戦うには向かないと判断されたのか、予選での使用率から考えると少なめの使用者数になっています。

6位は「錬金銃ドワーフ」です。「タイプ:錬金銃」デックと言えば一時期は「種族:バードマン」タイプや、《スティグマーター》を筆頭に他の「種族:魔法生物」で固めたタイプなどもあったのですが、《鉄と鋼の王ゲパルト》登場以後は《スティグマーター》と「種族:ドワーフ」を組み合わせたこのタイプが主流になっています。
予選では多くの突破者を出したデックタイプでしたが、本選で使用されそうなデックが固まっていくにつれ、特にどのデックに対しても普通に戦える代わりに有利にもならないという点が嫌われたのか、本選では大きく数を落としています。

ご覧のように事前予想の6デックが上位を席巻。使用者数は6デックで98名と、参加者のおよそ3分の2がこれらのデックを使用したことになります。残り3分の1はまさに混沌としています。
ご紹介しているのは使用者が2名以上いるものですが、それでも10デック。
使用者が1名のデックも入れるとデックの総数は40種類近くになりました。

さて、そういった混沌とした大会環境でどういったデックが突破していったかを見てみましょう。
予選の突破順位順で掲載していきます。

1位:ストライパー
2位:ガーネット
3位:コアトル重スペル
4位:指輪バードマン
5位:白夜
6位:指輪バードマン
7位:シャチ
8位:コアトル重スペル
9位:イアソンサラスヴァティ
10位:レベル6メイン重スペル
11位:錬金銃ドワーフ
12位:レベル6メイン重スペル

ぱっと見て目を引くのは使用者数上位6デックはすべて突破者を出していること。
次は1位、2位に使用者数では圧倒的に少ない「ストライパー」「ガーネット」が入っていること。
そして、同様に使用者数としては7番手だった「レベル6メイン重スペル」が2名も突破していること…でしょうか。

これらについて検証をしてみたいと思います。
まず使用者数上位6デックの突破状況ですが、これを多いと見るか少ないと見るかは難しいですね。
使用者数上位6デックで参加者の3分の2を占めていて、突破者は8名ですから、上位12名の3分の2をちょうど占めてはいるのですが、上位6デックの中でも使用者数の多かった「シャチ」や「イアソンサラスヴァティ」が1名の突破者しか出すことが出来なかったのは意外と言えば意外です。
ですが、これらのデックが多いであろうことは事前から予想されていたことであり、そうである以上それらのデックへの対策は十分にされてきたことの証明と考えることもできます。
だからこそ「ストライパー」「ガーネット」といった予想されておらず、対策もされていなかったデックが上位に上がってくることができたのでしょう。
予想、対策されていないということはそれだけのアドバンテージがあるということですね。

「レベル6メイン重スペル」についてはこれらとはやや異なる事情から予選を勝ち抜いてこれたのではないかと思います。
このデックはレベル6の《アビス・ケルベロス》や《邪髪帝ラクシオス》といった優秀なユニットが多くの戦闘スペルを使用するデックで、強さ自体は前々からある程度知られ認められてきました。
しかし、その強さとは裏腹にあまりトーナメントでは結果を残してはきませんでした。
その理由として《トンネル》の存在を疑う方はいないでしょう。
リミットオーバーにより、6レベル以上のユニット一方的に破棄することができ、その後は侵入すらさせない《トンネル》は長い間6レベル以上のユニットをメインにしたデックの本選使用を躊躇わせてきました。
その事情が今回の本選は少々異なっていました。メタゲームの推移による《トンネル》の減少です。
今回の本選の主要6デックを見ていただくと分かるかと思うのですが、これらのデックにはレベル6以上のユニットがほとんど入っていません。
いるとすれば《地獄の大公サルガタナス》、「錬金銃ドワーフ」の《スティグマーター》と《ガトリング・ヴァイパー》くらいのものです。
そうなると本選で当たることの可能性が高いデックとの対戦では《トンネル》が無駄になる可能性が高いのです。
実際に《トンネル》の使用者は本選参加者148名中32名。ものすごく少ないとはいいませんが、それでも全参加者の5分の1と少し。6回戦戦えば少なくとも1回、多くても2回しか当たらない計算になります。
この《トンネル》の少なさと、レベル6以上のユニットを使ったデックが主要6デックにいなかった(それゆえに余り対策されていなかった)ことが、「レベル6メイン重スペル」デックが2名の突破者を出した要因だと考えられます。
実際に突破した2名は、《トンネル》を主軸にしたデックとはほとんど対戦していません。
「どらぽん亜種」さんは3回対戦していますが、1回はお守り的に1枚採用されているだけ、1回はインテンショナルドロー(意図的な引き分け)で回避しており、実質的に対戦は1回だけです。
「華露(まーぼー)」さんは2回対戦していますが、1回はお守り的に1枚採用されているだけでしたので、こちらも実質的には1回ですね。
まさに環境を読みきって「《トンネル》?当たらなければどうということはない!」を地で行く結果だったと言えるでしょう。

以上で、本選のデック傾向分析を終わります。
今回はメタゲームの中心となるデックが多く使用されながらも、本選を突破したデックを見るとそれら以外にも、メタゲーム外のデックやメタゲームを読み切ったデックが突破しているという非常にTCGらしい面白い環境だったのではないかと思います。
これからもこういった面白い環境が続くことを願って筆をおきたいと思います。それでは、また。

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2つのコメントがあります
  1. モンコレグランプリ結果発表

    公式サイトで本戦上位デックが公開され、
    ブログには総括的な記事もアップされていますね。

    うーん、今更わたしが書くことはない感じです。
    こカカのブログの記事に追記する点が見…

  2. ShuU's Moncolle Blog on 2011-05-12 at 00:30

    指輪バードマン

    MCGP2本選での使用者は9/148名とのこと。デザイナー様から聞いていた情報と同じ。「指輪バードマン」に4/6回当たる土ドラゴン。Gレギュは、土ドラゴンを絶滅させる気としか…