「――何をしているんだ、志木」

夜更け、遅い仕事上がりにバーに寄ったGMの冬樹が、
うさんくさげに眉をしかめたのも仕方がない。

バーテンダーの恰好をしてグラスを磨きながら、最高にいんちきくさい笑顔で彼を迎えたのは、二週間ほど前に転職してきた営業マンだったのだから。

「いらっしゃいませ」

「仕事か、遊びか」

冬樹の問いに志木は答えず、どうぞ、とカウンターチェアを勧めてくる。
ウィンクのおまけ付だ。
どうやら志木は、何がなんでもバーテンダーの真似事を通したいらしい。

続きは12月20日（火）発売のB’s-LOG 2月号にてご覧ください！

「トラさん、バーに呼び出すなんて今日はおごりですかゴチでーす……あれ」

夜更け、遅い仕事上がりにいそいそとバーにやってきた営業の志木が、思わず目を丸くしたのは当然だろう。

かすかに苦笑のような笑みを浮かべてカウンターの中に立っていたのが、バーテンダーの恰好をしたＧＭの冬樹だったのだから。

「……いらっしゃいませ」

続きは1月20日（金）発売のB’s-LOG 3月号にてご覧ください！

「ねーねー冬樹さん、今日は飲み付き合ってくださいよ」

定時を２時間ほど回った後、へらへらと笑いながら志木がそう言ったので、冬樹は数秒考えた。

「……考えてみたが断る理由がなかった」

「うわっ、後ろ向き！　でも一応ＯＫってことですよね？」

外出していた虎彦とイチが行き倒れを拾ってきたりして、バタバタした１日だった。少しくらい飲んでもバチは当たらないだろう。

続きは2月20日（月）発売のB’s-LOG 4月号にてご覧ください！