真・益々繁盛

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ご無沙汰しております。ゲームデザイナーの中村です。

プレリリース・イベントの参加賞として、真・益々繁盛がお目見えしました。ところが! 中村個人としては驚いたことに、ユーザーの方々のネット上の反応がアニヒレイト・ドラゴンほどに芳しくない! むむむ、このままではあの素晴らしく楽しいプレリリース・イベントに水を差し、4-4が弱いなどという誤った印象につながってしまうかもしれない。とあわててブログを書いてみることにいたしました。

確かに、盤面に直接影響を与えるカードではないし、みんなが大好きなドラゴンでもない。しかしです、このカードはあのクレバスや暗黒面の魂を押しやってでもデッキに入る可能性のある、優秀なカードであることをお約束いたします。

まず、このカードがプレリリース・イベントの参加賞に選ばれた理由に触れておきましょう。
①名前がいい。店舗様のお名前を入れるにふさわしい、縁起の良さ。文句無し。
②テキストが短い。店舗名が大きく入る。一行。素晴らしい。
③強い。いいですか、繰り返しますよ。強いんです。このカードは。

さあ、考えてみましょう。ディメンション・ゼロはカードゲームです。カードゲームはアドバンテージを奪い合い、それをうまく利用して勝利につなげるゲームです。すなわち、1枚のカードで複数枚分の価値があるカードは強い。これは納得していただけますよね? このカードのすごさは、1:2交換どころか、1枚で4枚とか5枚とかわけのわからない枚数を引けるところにあります。

益々繁盛は3コストで2枚、真・益々繁盛は4コストで2枚、禁呪3も使って弱くねえ? 本当でしょうか? アペプシユはたいてい4コストで1枚、アニヒレイト・ドラゴンは8コストでたいてい1枚から2枚、禁呪3も使って弱くねえ? 違いますよね。

また、このカードが活躍すべきコントロール・デッキを使う人ならわかっていただけるでしょう。コントロール・デッキは、デッキのほとんどを使って戦います。1枚1枚の戦力がそのまま、デッキそのものの戦闘力になるのです。コントロール・デッキ対決で山札切れで決着することはありませんか? そういう対決では、無駄なプラン更新を繰り返した側や、デッキに入っている無駄カードが多い側が不利になります。ドローカードは、それだけでゲームに影響を与えることはできません。引いたカードが勝利に貢献して初めて、間接的に価値を発揮するのです。益々繁盛で3枚アドバンテージを得ようとすると、9エネルギーかかるだけではありません。デッキの中に3枚、益々繁盛を入れなくてはならないのです。益々繁盛で引いたカードの中に益々繁盛が含まれるかもしれない……これは、益々繁盛の価値をどうしても下げてしまいます。しかし、真・益々繁盛は違います。1枚デッキに入れれば、1枚のカードで、たった6エネルギーで、デッキの重要なパーツを3枚引くことができるのです。

想像してみてください。ゲームは中盤。あなたの場にはスマッシュとエネルギーが合わせて8枚あります。あなたは何もせずにエンドします。相手がプランから1~2枚のカードを展開しました。あなたは、相手のターンの終了時に5枚のカードを手に入れます! ディメンション・ゼロでは、プランを使うと有利なゲームです。しかしプランは諸刃の剣。使えば使うほど、自分のターンでエネルギーを消耗し、大きな隙を作ります。ところが、真・益々繁盛さえあれば、あなたは隙を作ることなく、プランをはるかに超える効率でカードアドバンテージを獲得することができるのです。

フェアウェル・パーティを思い出してください。あのカードは発売当初、多くの人が低い評価を下していたカードでした。確かに色を選び、デッキを選ぶカードではありましたが、有効活用するデッキがトーナメント・シーンの主役となり、一躍人気カードに躍り出ました。真・益々繁盛、試してみる価値があると思いませんか?

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